書類やら、椅子やら、何もかもがグチャグチャの、
泥棒が入った後みたいに荒らされたバックルーム………。



床に広がる真っ赤な血。



倒れている中年の太った男………。









何だ、コレ…………。







言葉を失う俺に、振り返ったボケ女はニコリと笑った。



「こちらも、お持ちになりますか?」


ボケ女の両手に、札束。




「このお金、店長の個人的な金庫の物なんです。
いかがなさいますか?」


「……これ……アンタがやったの、か?」


「えっ?あぁ、はい。
私が殺しました。」


「な……ん………。」


「私事ですが、いつも店長にセクハラをされておりました。
……今日は、遂に襲われそうに。
それで、そこにあった灰皿で咄嗟に殴ってしまいまして。」





ボケ女の視線の先に、硝子で作られた大きな灰皿。




縁に、びっちりと血が付いている。