「あっ!そうだ!」
ボケ女が突然、思いついたように口を開いた。
「後藤様。少々、お待ちくださいませ。」
……だから、後藤じゃねぇって。
そう言って頭を下げると、ボケ女は奥のバックルームと思われる方へ向かっていく………って、逃げる気か!?
「オイっ!ちょっと待て!!」
俺はレジのカウンターを飛び越えて、ボケ女の後を追おうとした。
ボケ女は扉を開けっぱなしに、俺に背を向けてバックルームで何かをやっている。
「まさか、警察に電話してんじゃ……。」
ボケ女に向かっていく。
けれど、異様な物が目に入り、俺は足を止めた。
バックルームの中……床に足……?
誰か、倒れてんのか?
恐る恐る前へ進む。
まるで、警告でもしているみたいに、心臓の音が耳に響く。
そして、
開けっぱなしの扉に手をかけて中を覗いた俺は、
自分の目を疑った。