「テメェ、マジでウゼぇんだよ!!」
手加減のないケリが、腹に入る。
そのまま、俺はアスファルトの地面に倒れこんだ。
思わず睨みつける俺に、麗也さんはゴミでも見ているような蔑んだ視線を落とす。
「何だ、その目?文句でもあんのかぁ?桜クン。」
「……すみません。」
俺は、俯いて呟いた。
麗也さんは舌打ちをして、ご自慢のベンツのエンジンをかける。
その車だって、ババァに媚び売って買ってもらったんだろ。
そう思ったが、もちろん口には出さない。
座り込んだままの俺の前髪を、引きちぎれんじゃねぇかってくらいの力で麗也さんは掴む。
金髪の髪と、鋭い目。
動物で言うなら、獰猛な肉食獣………もっと言うなら血気盛んなライオンだ。