彼を先ほどと同じように、地面に寝かせる。
少し冷たい風が、海の匂いを運んでいた。
波の音を聞きながら、あたしは歩きだす。
広々とした、この道を。
「チェリー、チェリー、
あなたとあたしは二人で一つよ、
チェリー、チェリー。」
さぁて。これから、どうしようか。
呟くように歌いながら、
この道をただ真っすぐ歩いていこうか。
血濡れのあたしは、一歩一歩進んでいく。
何もかも終わったよ、
お姉ちゃん。
はみ出した世界、あたしは一人。
手のひらに残る生温い感触、彼の温度。
あたしの頬を、一筋の涙が流れた。
〈 END 〉