ぬるりとした血に塗れ、俺は泣いた。





俺を見つめ続け、寄り添ってくれていた梨子の愛。





その愛に埋もれていた俺は、梨子の悲しみに気づけなかった。





本当、救いようがねぇよな…。












泣き腫らした俺の顔はドロドロで、
血や海水、砂を身体中に纏い、呆然としていた。





俺は、抱きしめていた梨子の手からピストルを取る。


その重みを、握り締めた。