俺は起き上がる。
何度も転がり、躓き、身体中が傷だらけになった。
それでも、この身体は思うように前へ進んでくれない。
気持ちばかりが先走り、俺を急かす。
そうして、俺は――………。
泣いているのか、叫んでいたのか、
もう分からなかった。
「……ッウ…ア……あ…あぁぁぁーーー!!!」
俺が辿り着いた先、
道路に広がる真っ赤な血。
右手にピストルを持ったまま、倒れている梨子。
血の海の中を這って、俺は梨子に手を伸ばした。
「あぁぁーーー!!うあぁーーー!!」
気が狂ったように叫ぶ俺の声が、空に吸い込まれていく。
梨子の肌は、まだ温かい。
俺は、梨子を抱いて泣き叫んだ。
空も、海も、当たり前にそこにある。
俺の瞳には、もう何も映らない。
「梨子っ……梨、子………。」
何で……お前が死ぬんだよ…………。
何で、自分で、こんな…………!