はっとして、我に返る。
店員は、きょとんとしている。
俺は思わず、店員の胸に付いている名札を見た。
名札には“奥田”と書いてある。
……別人なのか?
それにしたって、
何度か、このコンビニに来てたんだ。
いくら店員の顔なんか気にしねぇとはいえ、今まで気づかなかったなんて……。
「……あの。」
立ち尽くしたままの俺に、店員が口を開く。
………あっ!俺、そう、いま強盗だ!!
「さ、さっさとやれ。」
動揺しているせいで、声が擦れてしまう。
……ダッセぇ…。
「…あの、お客様。
こちらは、当店の商品ではございません。」
店員は、俺がカウンターに置いたボストンバックを示して言った。
あぁ、そうだよ。
それは、さっきディスカウントストアで……って、はっ??