もう叶う事はないけれど、出来るなら梨子と未来だって描きたかった。
共に寝起きして、食事をして。
休日は、時々デートもして。
抱き合い、キスをして、愛し合う。
日々の些細な幸せも悲しみも、二人で重ねて。
いつか、
真っ白なウェディングドレスに身を包む梨子を、
いつか、
初めてその腕に子供を抱く梨子を、
俺は見守って。
巡る季節の中で、二人は歳をとって。
何年後も、何十年後も、手を繋いで歩く。
そんな、ありふれた未来さえ描く事ができない。
俺たちは、もう戻る事などできない。
世界からはみ出した二人に、ハッピーエンドが待ってるはずねぇんだよ。