「本当に、後悔しない?」


諭すように、リンダママは言った。





梨子は、ほんの一瞬だけ口元を緩めて微笑んだ。




それから、紙袋から何かを取り出しながら、ぽつりと呟いた。







「後悔なんてしないわ。」







その瞬間、俺は呼吸さえ忘れた。


瞬きさえだ。







梨子が紙袋から取り出した物、それは―――……、









それは、小型のピストルだった。












……―――梨子。



一体、何を考えてるんだ?








ピストルを見つめる梨子の眼差しは、酷く冷たかった。




まるで、氷のように―――……。