「サクくんだっけ?梨子は今でこそ丸くなったけど、昔はねぇ〜。」


「リンダママー!それ以上は、お口チャックですよぉ!」




ハシャぎ続ける二人の横で、俺は開いた口が塞がらない。






あまりにも……あまりにも意外すぎる梨子の過去を目の前にして、ただ、ただ、立ち尽くしていた。







「そういえば梨子、突然どうしたの?」


首を傾げるリンダママ。



「あーっと……実は、話せば色々と長くなってしまうのですが………。」


梨子は言葉を濁す。




「…いいわ。ゆっくり聞きましょう。
さっ、座って、座って!」


「…はい。
朔ちゃんも、座りましょう。
……朔ちゃん?おーい、朔ちゃ〜ん??」



写真を見つめたまま呆然としていた俺を、梨子は不思議そうに見つめる。




「朔ちゃん?」


「あ、あぁ……。」




俺は、ヨロヨロとカウンター席の椅子に腰かける。





別に元ヤンが嫌だとか、そういう事じゃねぇ。



ただ、あまりにも梨子のイメージにはなかった為に、頭がついていかなかったのだ。







……やっぱり、梨子は面白い。


俺の想像を遥かに越えている。