だけど兄貴のほうはしっかりと見抜いていて、言葉がぐさりと胸に突き刺さった。
…まぁ…
そりゃ、落ち込む。
「あの小生意気な天使ちゃんが通訳ガイドで着いてきてくれたんだろ?」
「…一回で終わるかと思いきや、全部着いてきた」
「何件回った?」
「23件」
ふう…と息を吐いた。
さすがにまだ息は白くない。
23件と答えてから、「奇跡の数字だよ」と付け加えた。
必死に探してきた。
「最初に行った学校が、一番可能性ありそうだった。今思えば」
「学校て、大学?」
「大学も高校もバラバラ」
そうなのか、と呟いてから。
兄貴はソニアにもらったらしいキャンディの包み紙を開けて、口に放り込んだ。
ストロベリーだかなんだか…とにかく甘い匂いが広がる。
いかにもアメリカっぽい。