そして柚はあの懐かしい笑顔を向けて、俺に手を振った。
「拓巳、またね」
「…ああ。またな」
――――『じゃあな、拓巳』
『ああ。じゃあな』
またね。
さよなら。
いつかまた会おう。
世界のどこかで今日も交わされている、別れの言葉。
…だけど同じ分だけ、どこかで出会いがある。
別れた人と、もう出会わないこともある。
だけど、また出会うこともある。
―――本当に大切な人とは、何度でも出会うんだ。
それは運命任せにしないで…自分から見つければいい。
だってさ。
その後ろ姿だけで
…俺は人ごみの中でもきっと、君を見つけられる。

