白い紙には、確かに書いてあった。
…だけど柚の言うとおり、それは行き先なんかではなかった。
「…はは」
「本当…ケチなんだから」
だけど自然と、笑いが零れる。
…顔を見合わせて笑ってから、柚はゆっくりとまた紙を折っていった。
「でもいいの。…あたしが絶対に、見つけてやるから」
「柚…」
「出来たっ」
すっかり元通りになった、ヒコーキ。
その白い翼を撫でて、柚は微笑んだ。
「…絶対に、会いに行くよ」
―――そして、ヒコーキを青空に向かって飛ばした。
青空と白い雲の狭間を、縫うように行き交うヒコーキ。
…届け。
どうか届いてくれ。

