――――――― ――――― あれから、数年が経った。 「今頃…どこで何をしてるんでしょうね」 「本当、気まぐれな奴ですよね」 月日はあっという間に流れ。 もう大人になった俺達は「陸上部の同窓会」と称して、喫茶店に集う機会があった。 もちろん日向の話も、出ずにはいられない。 メロンソーダを飲みながら、それなりに話に参加をして…俺の目は自然に、柚に向いていた。 この八年間、ずっと誰にも言わなかった。 …あの空間を 柚には伝えておくべきなんだろうか。 なんて思いながら。 「…拓巳?」