「日向…」


「…ん…?」


「生きていてくれて…ありがとう…」




それ以上に何があるんだろう。



愚かだった。


欲張りだった。




…それ以上なんて、望んではいけなかったんだ。



"生きてる"…それがどんなに尊いことなのか、目の前で優しく微笑んでいる日向の存在が教えてくれた。







「ーっ…」


「…柚」



拓巳が優しくあたしの腕を引いて、背中をさすってくれた。



「っ…ありがと…」



「どーも、相原日向」



変わって…隆史先輩が明るい笑顔で、日向の前に立った。




「…どうも。…んと…」


「俺達は少しだけ年齢の差があったけど、お前とすっっごく仲が良かったんだ」



雄大先輩が隆史先輩の肩越しに顔を出して、そう続けた。