「ったく、皆大騒ぎしすぎなんだよ」
「…」
表彰されたその日の帰り道、日向はペットボトルの氷をガラガラ崩して歩きながらそう言った。
そりゃ…大騒ぎしますとも。
だって一年生になって最初の大会から、いきなり優勝だよ?
「日向は自信ありすぎ。
…もっと勝てたことを尊く思わなきゃ」
ペットボトルを日向の手から奪い取って、振り回しながらそう言うと。
「あ、返せバカ」
あたしの額を、日向がピンと弾いた。
"…柚と日向って付き合ってるの?"
何度も皆にされる質問。
そのたびにあたしは、何度も同じ答えを繰り返す。
"そんなんじゃないよ"
…そんなんじゃない。