どうしてだろう…



…あたしは、日向の足を引っ張ることしか出来ない…



何も…してあげられない。




「柚ちゃん、違う…!あなたは悪くないの。飲酒運転で日向を傷つけた…無責任な大人が悪いのよ…?」


「っく…」



涙声でそう言ってから、おばさんはあたしを抱き締めてくれた。




「ーっ…」


「っく…う…!」







溢れる涙を右手の甲で拭った…その時だった。





「っ!」






……左手で握り締めていた、日向の手が。





微かに…でも確かに動いたのは。






「っ、日向…?」


「日向っ、日向…!?」



はっとして、日向の顔を見つめると。




「…っ」





ずっとかたく閉じられていた目が…静かに、開いた。



「…ひな…たっ…!」