「…日向」
…おばさんは、病室にあたしを日向と二人きりにしてくれた。
おばさんだってきっと、日向にたくさん話したいことがあったはずなのにね…
ありがとう。…ごめんなさい。
「…っ、痛い…よね」
たくさんの針を刺されて、たくさんの道具に繋がれて眠る日向の口元に手を当てて。
…何度も何度も、息を確かめた。
「っ…」
息は温かくて
頬も髪も温かくて…
…確かに、日向は生きている…のに。
「ーっ、っう…っ…あ…」
涙が出てくるのはどうしてだろう。
酷く、胸が張り裂けそうなんだ…
「っ…う…」
――――"歩くことが難しくなるかもしれません。"
―――――…"記憶を失っている可能性が高いと思われます。"