「先生…っ!息子は…日向はっ、無事なんですか…!?」――――



――――「大変危険な状態です。



意識が戻るかどうか…戻ったとしても体や脳に酷く障害が伴うことは間違いないと思います…



…全力を、尽くします」―――――









ねぇ…



…どうして、日向がこんなことになったの…?











「柚、あなたも疲れてるの。今日はひとまず家に帰って…」



諭すように言ったお母さんの手を、あたしは何も言わずに振り払った。



「っ、柚!」


「…」




涙も…出なくて。



目の前も、よく見えない。



…何時間が経っただろう。



病院のソファーに座り込んだまま、ただただ待ち続けるだけだった。