隆史先輩…いや、隆史部長の言葉に。



皆、静かに耳を傾けていた。





「…走れ。


走り続けろ。望む限り、望むように。





誰になんと言われても、信念を曲げないで済むくらいに強くなれ。




…お前達は、最高の陸上部員だから」




三年生は、この大会で引退する。



だから、最後の走り。



…泣いても笑っても、もう二度と同じフィールドを駆け抜けることはない。






「「はいっ、部長!」」



部員…もちろん日向も含んだ全員が、尊厳の意を込めて強く頷いた。




空は雲一つなく、綺麗に晴れていて。




…太陽が、眩しく青空に輝いていた。