「物語のオチ、かぁ…」
…少し訛りのキツい英語が飛びかう街を歩きながら、あたしはため息をついた。
時計を見れば、ミス・ナディアとの打ち合わせの時間までだいぶある。
…そんな時にはふと、日向のことを考えてしまう。
片手でピアスを付け直しながら、気晴らしのためにカリフォルニア州の地図を取り出した。
実は未だにここの辺りの地理感はなかったりする。
「どこか喫茶店でも…って、この辺学校ばかりじゃない!」
地図を握り締めて思わず日本語でそう叫んだあたしを、行きかう現地の人々が不審そうな目で見た。
「そっ…Sorry...(ごめんなさい)」
慌てて謝ってから、地図をしまって。
…とりあえずアメリカの広々とした学校を見学しようと、気の向くままに足を進めていった。