そして…再び、口を開いた。
「多分…確かめたかったんだと思います」
「確かめる…?」
「はい」
そう頷いて、原稿を鞄の中にしまうと。
その時に、鞄に付いている小さなポケットから名刺を一枚取り出した。
「…English translater (翻訳家)Yuzu Kanatani」
未だに、実感の湧かない肩書きを小さく呟いてみる。
゙夢を、叶えたよ゙
゙ちゃんと、ここにいるよ゙
そんな声は…あなたに届くのだろうか。
「互いの夢を叶えなかったら…多分二度と彼には会えないと思ったんです」
ミス・ナディアにそう微笑んで、名刺をポケットにしまい込んだ。