日向は一端言葉を切ると、小さく笑った。
「今…たくさんの人が、このフィールドを駆け抜けていくのを見てて。
不思議ど羨ましい゙という気持ちはあまりなかったんです。
あったのは…
…やっぱり、走る姿って人に希望を与えんだなって。
そんな気持ちでした」
日向はマイクを口元から離すと、一瞬だけ空に目を遣った。
「…って、これじゃ゙一言゙じゃないじゃん。
そろそろ終わらないとな。
…えっと…
゙走り続けて下さい゙。
足が動くなら、まだ走れるなら。
…皆が走る姿は、俺の希望です」
日向の言葉に…涙を拭うことさえ忘れて、聞き入っていた。
出場していた他の生徒達も、目に涙を浮かべていて。
誰かが拍手をし出したのをきっかけに少しずつそれが大きくなって。
…全員の温かい拍手に、日向は包まれていた。