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「拓巳っ、金谷ー!」


「わ、びっくりした」


「皆来てくれたんだ…」




競技場に着くと、スタンドの一部は三年二組の生徒で埋め尽くされていて。



その真ん中に、囲まれていたのは…




「…お前らバカ丸出し。静かに観戦しろっての」



呆れ顔の、日向だった。



相変わらず毒舌の日向の肩に、数人の男子が覆いかぶさる。



「わわ、やめろアホっ」


「相変わらず俺達への愛情表現が素直じゃないなぁ」


「黙れ!素直も何も初めっからないから。そんなもん」




…スタンドで、観客として俺達を見守る。



そんな日向の姿を見ると…凄く切なかった。



柚の瞳も、同じ気持ちを多分物語っていた。





…でも。




「おーい、日向っ!」


「よっ。頑張れよ。ここから見てっからな」



だからこそ、乗り越えなければいけない何かがある。



俺達にそう教えてくれたのは…





…お前だろ?