「来週行われる陸上競技大会に出場予定だった本校陸上部三年、相原日向君は怪我により出場停止となりました」


「…え…?」


「日向が…?」


「まさか…また事故…とか?」



日向が倒れた時の騒ぎは、教師達と一部の生徒しか知らなかった。



翌日の集会でそのことが校長先生の口から告げられると、あたし達のクラスの列は他よりもざわついた。



…当たり前の反応。



クラス替えがないせいで、三年間ずっとずっと日向を見てきたクラスメート達だから。



…陸上バカの日向を少し呆れたように、だけど優しく見守ってきたから。




「なんでいつも…日向がこうなるんだよ…」



教室に戻ってからも、ざわつきは治まらず。



ホームルームを始めようとした担任が必死に宥めても、無駄だった。