少し考えるように、窓の外に目を遣ってから。
…日向はもう一度あたしを振り向いた。
「俺の…夢の話だけどさ…」
「うん…」
ドキンッ…という心臓の鼓動が確かに聞こえた。
――――゙夢゙
その言葉を聞いただけで、呼吸さえも忘れそうになった。
「…何…?」
「…」
「…」
日向は数学の問題を考えるかのように、眉をしかめたままあたしを見つめると。
「…やっぱやめた。」
そう呟いて、小さく笑ったから。
…一気に肩の力が抜けて、さすがに聞かずにはいられなくなった。
「ちょっと!そこまで言い掛けて何よっ」
「…や。ちょっと賭けを、な」