「日向…」
「…大会の応援には行けるように、頑張ってリハビリしなきゃな」
軽く伸びをして、そう言った日向の声は明るかった。
…病室に光が差したかのように。
日向の髪が…太陽の光によって、柔らかい色にまた染まった。
「先生、俺頑張りますから。またよろしくお願いします」
「…日向君」
先生は、少しだけ皺の刻まれた頬を緩めて。
…日向の腕に、軽く触れた。
その表情は真剣で…どこまでも優しかった。
「私は、あまりくさい台詞は好きじゃないんだが」
「…え?」
「…君に会えて、良かった」
日向はその言葉に、少し目を見開いた。
「先生…?」
「…君のような輝いた存在に出会うことが出来たことを、誇りに思うよ」