いつも俺以上に泣いて、笑って、苦しんで、喜ぶ母さん。 俺の一部を作ってくれた、今は亡き親父。 …俺に希望を与えたいと言ってくれた担当医の先生。 そして… 「日向ーっ、あたしが見えるー?」 …見えるよ。 目を閉じてても、見える。 「日向の風の色は透明だね」 …柚がそう言うんなら、そうなんだろうな。 「日向っ」 …今度は何だよ。 「大好き」