「あ、休憩終了?」
「まぁな。
…柚。やっぱ俺、部長の座をあいつに取られてるわ」
「あらら」
ふふっと笑いながら、記録を付けていた柚はクリップボードから顔を上げた。
「なんかあったの?」
「や…以前からずっと、そんな気が…」
「弱気になんないの。日向の毒舌に負けちゃダメだよ?」
柚の笑顔が、俺は好きだ。
…いや、それが友情的だとか恋愛的だとかそんなのはどうでも良くて。
ただ純粋に、柚の笑顔は人を幸せにする力があると思う。
…柚が笑っていると、とりあえず安心する。
「あれだね。
日向が太陽なら、拓巳は空だね」
「…は?」
「空があるから、太陽は安心して輝けるんだよ」
なんてね。
そう少しはにかんだ表情は…たまらなく愛しかった。