「…っ」
思わず黙り込んでしまったあたしの顔を、日向が軽く覗き込んできた。
「…柚?」
「あ、えっと…」
「なんか聞きたいことでもある訳?」
落ち葉を軽く蹴りながら、そう言った日向に。
ドクンッ…と心臓が跳ねた。
…ほら。
日向にはなんでも分かってしまうんだ。
隠してたって、押し殺そうとしたって…
「…っ日向の…夢は…?」
――――秋風が吹いた。
山吹色の混じった、風。
…あたしの手のひらに、枯れ葉という落とし物を託す。
「…俺の、夢?」
日向は静かに目を閉じた。
…不思議なくらい、心は落ち着いていて静かだった。