将来英語に関わりたいと決めただけでも、あたしにとっては大きな進歩なのだけれど。
…やっぱりもっと具体的に決めないといけない時期がやってきたんだ。
「…なるほどな。具体的に、か…」
「そんなこと言われても、どうしたらいいか分からなくて…」
…部活の帰り道を日向と一緒に歩きながら、そんな話をした。
そう。
まだ漠然としか分からない。
どう進めばいいのか、何をしたらいいのかも分からない。
そんな悩みを、誰かに聞いて欲しかった。
「柚はさ…」
「えっ?」
「…翻訳家とか、向いてんじゃねぇの?」
「ほ…翻訳家?」
その言葉に、思わず足を止めると。
日向は優しく、微笑んでいた。
「あくまでも俺の勝手な見解だけどな」