そう。
――…その答えは、君が教えてくれた。
「ひな…た?」
「…守りたいものが、あるからじゃねぇの?」
気が付けば抱き締めていた。
夜風にサラ…と揺れる柚の髪は、微かに温かくていい匂いがした。
「っ…」
「いーじゃん。…明日、死んでも。
多分まだいつが…この気まぐれな宇宙に堕とされるから」
その時は、種さえも違うかもしれない。
国籍も、性別も、何もかも全て。
また会える。
その可能性はきっと、計り知れない程僅かなものに決まってる。
仕方ない。
そういうもんなんだから。
…だからこそ余計に今を、幸せに感じる。