またそれを、言葉に出すまいとしてるのも。
…こいつのことは、なんでも分かってしまう。
「大丈夫だから」
「…え?」
「や、なんでもない」
幸せだと思う反面…
…少し、辛かった。
いや、だいぶ辛かった。
俺の夢はきっと、大切な人を傷つけてしまうから。
「あっという間だったな」
「もう明日帰るんだよなー…」
先輩達とそんな話をしながら、残った宿題を片付けていた。
まだまだ…四日間じゃ足りない。
まだまだ走り続けていたいんだよ。
…そんなガキっぽいことを言えるはずもなく、俺は「また帰ったら走れるじゃないですか」と返した。
少し、自分にも言い聞かせるように。
…そう。また帰ったら走れる…