宿題もようやく片付いてきた、夜。



…皆で花火をした。




「うあ、いきなり消えた!」


「誰か火分けてくれー」



最初は線香花火から始めて。



…あたしの炎はピンク色で、なかなか強く火と光を放っていた。



「柚ちゃーん、火分けて!」


「はい、どうぞっ」



あたしの火を少しあげると、雄大先輩の線香花火も音を立てて燃え始めた。



綺麗な緑色。



日向の花火は黄色で、真琴先輩は青。



一馬先輩はあたしと同じピンク色で、将先輩と拓巳は赤。



色とりどりの線香花火が作り出す空間は、本当に幻想的だった。



まだまだ夏の夜は、長い。



黒い空に浮かぶ星達は、空気が綺麗なせいでよく見えた。




「打ち上げ花火、行くぞーっ」


「おっ、行っちゃえ!」