日向が憎らしい口を叩きながら、一番大きなスイカを頬張った。
…それに対して雄大先輩が吠える。
「お前な!普通こういう時は先輩を優先し…」
「や、早い者勝ちでしょ」
二人が言い合っている間に…真琴先輩、一馬先輩、将先輩、拓巳という順番でスイカを取っていって。
一番小さなスイカが、雄大先輩の分として残る。
「あ、お前らーっ」
「「早い者勝ちです。」」
一つだけ残ったスイカは、水滴があちこちに付いた皿の上で眩しく輝いた。
―――――練習、夕食終了後は宿題タイム。
…こうなると日向の独壇場だった。
「三角関数?そんなもんも分からないのに大学受験する気ですか?」
「すんません…日向様」
「イディオムを知らないで長文なんか読み取れるかよ、拓巳」
「…日向、ヘルプ」