久しぶりの温もりだった。
だから少し恥ずかしくて、顔を見られたくなくて…埋めた。
「ち、小さいって何……っ」
「…小さくていーから」
甘く、優しく耳を噛まれて。
初めての感覚に…思わず体がびくっと震えた。
「あ…っ…」
「…少しずつ、大きくなればいーよ」
小さい子を宥めるような口調。
だけどその目は、その言葉はどこまでも優しくて…
…あたしは更に強く、日向に抱きついていた。
「日向と一緒に大きくなるよ…」
あたしだけ止まってしまうのも怖い。
あたしだけ進んでいくのも怖い。
日向と一緒に…限りなく似た歩調で一緒に、歩んでいきたいんだ…
…日向は優しく微笑んで、あたしの髪を撫でながら軽く口付けた。
「今にきっと…柚が追い越すよ」