少し揺れる柔らかい髪も、軽やかな足取りも。 …確か、だった。 それを思う度に、心は少し震える。 「柚?」 「あ、ううん。今日はいい天気だなって」 太陽が眩しかった。 隣で微笑む日向が、白いシャツに反射する光が眩しかった。 …隣に君がいる。 ただそれだけのことなのに、この世界はこんなにも眩しかった。 「やべ、あれ予鈴の音だよな!?」 「いっ、急げーっ」 …月日は、あたし達を大人にすると同時に。 日向の努力を認めて…その足が動くことを許してくれた。 限りない幸せだった。