どうしよう。
…心臓が歯痒くて、もう要らないと思ってしまうくらいに。
日向が、好きだ。
「柚、俺と…」
「マネージャーっ!」
…風ではなく、隆史先輩の大声が。
あたし達の間を遮った。
「いちゃついてないでタイム計ってよー!」
「…」
「い、いちゃついてませんっ」
不機嫌な表情で先輩を睨み付ける日向、一方であたしは慌てて赤くなった頬を隠した。
恥ずかしい…
…もう、いいところだったのに…
「あれ、日向怒ってる?」
「…先輩のいわゆるKY度、計りましょうか?」
悪びれもない表情で近づいてきた先輩に、日向はかなり怖い笑顔で言った。
「え、どうやって計るわけ?」
「んーと…キックかパンチかビンタ?選んでいいっすよ」
「こらこらっ」