立ち止まってちゃいけないよね…
…進まなくちゃ…
……日向がそう、言うのなら。
「頑張れ…」
「…うん…」
「俺も…頑張るから…」
悲しいのに、悲しくなかった。
寂しいのに、寂しくなかった。
…温かくて優しくて尊くて…愛しくて。
そんな光が、この世界にはちゃんとあるから。
そしてそんな世界できっと…繋がっていられるはずだから。
「ねぇ、日向…」
「…ん?」
「日向…いなくなっちゃうの…?」
そんな思いが、込み上げていた。
聞きたくないのに…聞かないと、もっと怖かった。
「…」
「…ひな、た…?」
温かい、温かい光に包まれて…
……答えを聞くことはないまま、その先の記憶は消えていった。