そう切なく微笑む日向を見て、俺は心ないことを言ってしまったと思った。
…何でも手伝ってやらないといけない。
そんな要らない同情は、日向を傷つけるだけだと…分かっていたはずなのに。
「じゃな。リハビリは覗くなよ。…情けなくなるから」
「っ、日向…!」
車椅子で病室を出ていこうとする日向を、思わず呼び止めていた。
…なんでだろう。
不意にこいつが…消えてしまう気がした。
――――…凄く、凄く儚く見えた。
「…いなくなんなよ?」
「…」
静かに、視線を合わせて。
…日向は少し間を置いてから、「なーに言ってんだよ」と笑った。
「くだらないこと言ってないで、学校に戻れよ」
…あの時、意地でも約束させておけば良かったのかもしれない。
"いなくなんなよ?"
…ずっと…俺の前を、走り続けていろよって…