そして、それを伝えたい。
…誰よりも大切な人が、いた。
…トゥルルルル…
「…やっぱ、部活中だよな」
ひたすら繰り返されるコール音に、思わずそう呟いた。
外は暗く、もうすぐですっかり夜となる。
部活が終わるか終わらないか…微妙な時間帯だ。
正直、部活をどれくらいの時間やっていたのか…外がどれ程暗くなる頃に帰ったのかを、あまり覚えていない。
それは単に…長い間ここにいることに慣れてしまっただろうから、だけど。
「お留守番サービスに接続しま…」
…やっぱり繋がらないよな。
そう苦笑して、電話を切ろうとした…その時だった。
「もっ、もしもしっ!?」
「…っ」
耳に痛い程の大声でお留守番サービスの音声を遮って、柚が電話に出た。