単純なもので、気合いが一度入るととことん盛り上がる部員達。
「…ぷっ」
思わず吹き出すと、日向と目が合った。
…珍しく日向も微笑んでいて、あたしの目を逸らすことなく見つめてくれる。
「ひな…」
「柚」
名前を呼ぶ前に、呼ばれてしまって。
思わず肩が跳ねた。
「は…はいっ?」
「走る。」
「う、うんっ」
気が付けば外に飛び出してしまっていた部員達に続いて、クラブハウスを出る日向の背中を。
…あたしは急いで追い掛けた。
「わわ、ストップウォッチ忘れてたっ」
慌ててストップウォッチを握り締めて、グラウンドに向かったとき。
…ふと、前を歩いていた日向が立ち止まった。
「…な」