あたしに何が出来るだろう…?
何をしてあげられるだろう…?
…何もない…
何も…ないんだ…
「歩けたって…意味なんかない。
走れなきゃ意味ねぇんだよ…!俺はもう…一生走れねぇんだよ!」
そう叫ぶ日向の腕を、掴むことしか出来なかった。
「っ、そんなこと言わないでよっ!」
「うるせぇよ!柚に俺の何が分か――」
「ずっとずっと日向を見てきたよ…!」
溢れる涙を拭って、日向に負けない声で強く言うしかなかった。
「何があっても負けない日向を…ずっと見てきたよ!」
憎まれてもいい。
殴られてもいい。
…だけど、日向をずっとずっと傍で見てきた。
あたしの本音をどうしても伝えておきたかった。
「あたしは…諦めない。諦め…られないよ…」