「うん。僕たちがボール欲しいねって言ってるのを聞いて、コレくれたんだ」
そういえば、そのボールには見覚えがあった。
日向が昔、ドッチボールだのバスケだの…何にでも駆使していた、白いボール。
「…おねえちゃん?」
「あ、ごめんね。なぁに?」
「おねえちゃん、ヒナタにいちゃんの知り合いなの?」
そう聞いてきた真ん中の男の子の頭を優しく撫でて、微笑んだ。
「うん。まぁね」
―――――"ヒナタにいちゃん、僕たちがスポーツをしてるの見てこう言ったんだ。
すごいなつかしい感じがする、って。
…ヒナタにいちゃんも、むかしスポーツをやってたのかなぁ?"
日向は…
…どんな気持ちで、ボールを渡したの…?