「ありがとう、おねえちゃん」
「いーえ。はい」
しゃがみ込んで、視線を合わせてみた。
可愛いな、と自然に笑みが零れてしまう。
男の子達はここに入院しているとは思えない程に元気で、笑顔が輝いていた。
「おにいちゃんにもらったボール、なくしちゃうところだったよ」
ボールを抱き締めた、三人のうちの一人の男の子に微笑んだ。
「お兄ちゃんがいるの?」
「ううん。僕達のお兄ちゃんじゃないよ。
ここに入院してる、車椅子のおにいちゃん。
時々一緒に遊んでくれるんだ」
「そうなんだ。優しいんだね」
「今日は来ないね。ヒナタにいちゃん」
…ヒナタ…?
隣からそう言った子の言葉に、思わず息を飲み込んだ。
「…っ、え…日向?」