夕焼けに染まった帰り道。



―――…隣にいたのは、柚だった。




「日向はどこに行きたい?」


「んー、別に。



しいて言うなら…」




…目の前が真っ暗になった。



世界が反転した、あの瞬間。



「っ…!」


「日向…っ!」






とぎれとぎれの断片が、脳内をかすめて。



強い痛みを感じた。






……今のは、何なんだ…?





「日向…!?」


「っ…あ、大丈夫です…」



俺の体を支えた先輩に、そう呟くと。



…続けて、言った。



「今日は…帰ってもらえますか?」


「ひな…」


「…一人に、して下さい」



先輩達が帰った後、俺は母さんの入室も拒んだ。