――ドクンッ……ドクンッ……
至近距離にイッペー君の顔。
こんなの平常心でいられるわけない。
あたしの心臓、壊れちゃうんじゃないかってぐらい、早く脈打つ。
「ね~。なんか音しなかった?」
廊下から女の子の声が聞こえる。
その声に、また別な意味でドキドキが増す。
どうしよう……。
もしも見つかっちゃったら。
あたしの体は小刻みに震えだす。
それに気づいたのか、イッペー君はあたしの手首を握る力を強める。
――大丈夫だから。
そう言われてるような気がした。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…