――マズい。


あたし達がいる位置は、ドアの小窓からだと丸見えだ。

イッペー君が言ったように、こんな暗い教室で教師と生徒が二人っきりでいるなんて。

あらぬ疑いをかけられてしまうかもしれない。


どうしよう。


そう思った瞬間、あたしの手首はイッペー君に掴まれていた。


イッペー君はあたしを引きずるように、強引に教室の隅に連れていく。


そこは以前イッペー君が眠っていた席の近く。

小窓からは死角になる場所。


――ドンッ

って、壁際にあたしの背中を押しつけて、そのまま床に座らせる。


そしてあたしに覆いかぶさるようにイッペー君もしゃがみ込む。

片方の手はあたしの手首を掴んだまま。

もう片方の手を壁について。


あたしはイッペー君に囲われて、身動きが取れない状態。