「きゃー。いっぺーくーん♪」

「がんばれー」


突如、頭上から黄色い声援が降ってきた。


それは、あたし達がいる3階よりさらに上、4階からのものらしい。


「すごいねー。3年生のお姉さま方からも人気だもんね。イッペー君は」


芙美が顔を窓から出して上を見上げる。



4月にこの学校に赴任してきたイッペー君。


ただでさえ若い先生なんてめずらしいのに、その上、目なんてくりくりしちゃって、アイドルみたいに可愛い顔をしてる。


そんなイッペー人気はいまやとどまるところを知らないって感じなのだ。



ライバル多し。


前途多難。



はぁ。