イッペー君がキョトンとしてあたしを見る。

何の話?って感じで。


「あ、いや、あの……。先生が高校生の時……」


「ああ……」と呟くイッペー君。


「あん時はどうやったかなぁ……。花火に夢中で月なんか見てなかったなぁ」


「その頃からあったんだ。花火大会」


「うん。あったで。毎年恒例やもんな」


花火……

誰としたの?

なんてふいに頭をよぎる。


以前話してくれた、あの女の子かな?

150センチの女の子。


「先生の恋の話聞きたい……」


思わず、そんな言葉が漏れてしまった。